残暑お見舞い申し上げます。
暦の上では立秋ですが、暑い毎日が続いています。
皆様、体調にお変わりありませんか?
最近ふと気になった本があって、
図書館で借りてきました。
「手仕事の現在 多摩の織物をめぐって」
田中優子編 法政大学出版局
出版元のHPによりますと、
「2004年度、2005年度に
法政大学多摩校舎・「多摩の歴史・文化・自然環境」研究会主催でおこなわれた
「多摩の織物」シンポジウムの経緯をまとめたもの」
だそうです。
ご存知の方も多いでしょうが、
八王子を含む多摩地域はかつて養蚕の一大拠点であり、
織物産業が盛んな地域でした。
編者の田中優子先生は
「多摩地域における手仕事の現在を知りたい、という思いで」
「多摩の織物を支えようとしているそのさまざまな試み、
熱気、関心、動きそのものをみつめようと」
シンポジウムを運営され、それを記録したのがこの本です。
手仕事、織物、という言葉にひかれて本を借りましたら、
最初の方に「真綿をつくる」という章があって、
その中で結城紬で使われる真綿についての詳しい記述があり、
何か縁のようなものも感じてしまいました。
その章は「多摩シルクライフ21研究会」のメンバーが、
シンポジウムで真綿つくりと糸づくりのワークショップを開いた模様を
文字にしたものです。
今までいろんな資料を見た中で結城紬で使う糸について
文字でこれほどすんなり頭に入ってきたのは初めて、
というほどわかりやすい記述でした。
また、最後の方には「繊維博物館の役割」という章があります。
繊維博物館は一度こちらのブログで紹介したいと思っていましたが、
現在は来年の3月末まで改装工事中のため休館しているそうなので
躊躇していました。
しかもいつの間にか、
「東京農工大学科学博物館」などという名称になってますし!!
まるで農工大が先にあって、そこが作ったかの名称になっていますが、
実は「繊維博物館」が先にあり、後から農工大ができた、
ということをこの本を読んで初めて知りました。
ここには手織機模型のコレクションがあり、
私は第65回特別展 『いま甦る手織機の世界』の時に訪れました。
HPにはPDFファイルになりますがその模型の紹介があります。
その他にもいろんな機器があったり、講習会があったりしますので
再開された時には一度見学に行かれると面白いと思います。
まだ気になったところを拾い読みしているだけですが、
ほかの絹製品の産地でいろいろ試行錯誤している様子を知ると、
結城もなんとかしないと、という気持ちにさせられます。
かといって、何もできなかったりするんですけど・・・。
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