結城市伝統工芸館/結城市コミュニティセンターは結城紬に関する唯一の公共施設で
結城市のちょっとはずれ、東結城駅から徒歩圏内にあります。
(小雨降る日に訪れたので全体的に写真が見難いかも知れません。)
少々寂しいところにひっそりと建っている感じではありますがちゃんと毎日開いています。
奥に会議室や展示スペースのある別棟があるので意外と広いです。
毎年11月くらいに行われる「本場結城紬作品展」もここ2年ほどは他のイベントとあわせて
市民文化センターアクロスや結城駅前の情報センターなどで開催されていますが
以前はココが会場だったので電車を利用して作品展を見にこられる着物姿の結城ファンの方も見かけました。
結城紬の反物と帯(それぞれ1・2反)はもちろんのこと機織りの道具や歴史関連を説明するパネルの展示がされていて
その他にもビデオ鑑賞ができたり、紬小物や道具の販売なども行っています。
常時織り子がいるので実際に織っている様子も見学できます。
現在は以前このブログでも紹介した技術研修生3名も研修を開始しているのでその様子も見学できます。
今は手つむぎではない糸で機織りの動作や色々な対処法などを練習中。
講師が一日中付きっ切りでの指導のようです。
研修は来年3月まで行われ、来年度はさらに技術研修生の募集が行われる予定のようです。
興味がある方は気軽に応募してみてはいかがでしょう。
1年間研修を受ける、という仕事です。
これが地機(じばた)です。
薄ピンクの帯を織っている模様。
本場のものでない機は体験ができるはずですからもし訪れた方は尋ねてみて下さい。
腰当てつけて足引きつけて・・・と体験するのにも織り始まるまでが一苦労、と聞きますが、
一度やってみる価値はあると思います。
指導する人は当然ながら地元の伝統工芸士など、つむぎ制作に直に係わっている人たちなので
話を聞いたりするのもよいかもしれません。
展示品の中には結城紬一反分の繭や真綿などもあります。
反物がたくさん見られる施設ではありませんが実際に織る様子や道具など
気兼ねなく見学できてさらに体験もできる、見方を変えればよい施設ですよ。
そしてコレ↑160亀甲。
これは研修生ではなく実践を積んだ織り子さんが織っているものです。
現在常勤の方も細工の細かいものを得意とする機屋さんに所属しているので常に高い技術の必要な反物を織っています。
さすがに美しい仕上がりでした。
私の周りにはこのような反物を織り上げる高い技術をもっている20代30代の織り子が(多くはないけど)ちゃんといます。
しかし総会で報告があったように
平成21年度絵の本場結城紬生産反数2,381反。前年度対比約36.2%減
(ちなみに昨年度減産比率30.3%減)
というのが現状です。
廃業する機屋も相次ぎ、仕事や所属先を失うという危機に面している織り子も多く
せっかく研修をして若い後継者が増えても仕事を継続できない、という問題も起きています。
などなど。
結城市HP
http://www.city.yuki.lg.jp/10/9919.html
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